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2012年3月22日 (木)

躁うつ病-2

 こんな風に会社での仕事は順調でしたが、私の体には少しずつ異変が起きていました。

  会社では活発に仕事が出来るのですが、帰宅すると急に元気が無くなるのです。休日も一日中布団の中でゴロゴロしているばかりで、何もする気力がありません。

  ある休日、当時幼稚園に通っていた娘に、
「お父さん、今日何やるん。寝るん?」
と言われて、とても自分が情けなく感じたことを覚えています。

  クリニックに行って主治医の先生に相談しても、
「仕事にあまり夢中にならない様に。適度に手を抜くぐらいの気持ちでやりなさい。」
と言われるだけで、相変わらず坑うつ薬と眠剤の処方のみでした。

  さらに半年が経過した頃、私は活発さを通り過ぎて、攻撃的な性格へと変化していきました。

  ある日の会社での出来事です。いつもの様に私はデスクでパソコン相手に、クレーム処理をしていました。そこへ上司が、そのクレームに関して、質問し始めました。例のように、居留守を装って、対応から逃げていたからです。

 何度か言葉のやりとりをしている時、突然、ドン、と両手で力強く机を叩いて立ち上がり、
「何だその目つきは。何か文句があるのか。」
と大声で私に怒鳴りつけました。私は表情を変えずに、
「カゼ気味なんですよ。」
と、すっと答えました。すると上司は、
「ふーん、カゼになると、そんな目付きになるのか?」
と再び大声で問い直しました。私もすかさず、
「そうです。」
と答えました。しばし見つ目あった後、
「ふーん。」
と言い、上司は机に座りました。私は何事も無かったかの様に、作業を続けました。

  しばらくして、また、ドン、と力強く机を叩く音が響きました。上司です。多くの事務員の前で、今のやりとりは完全に上司の負けです。きっと悔しかったのでしょう。

  しかし、私はカゼなどではありませんでした。上司のあまりの仕事の怠慢ぶりに、心底腹が立っていて、にらみつけるような目付きになっていたのです。そして、そのような上司相手に口論しても、楽に勝てるだけの自信もありました。これも、上司が、難しい仕事から逃げてばかりいるために、様々な問い合わせや、時には苦情もありましたが、私が上司に代わって正面からぶつかり、解決してきたことによって得た自信でした。

  この頃の私の精神状態は、今思えば、完全にそう状態に入っていたと思います。坑うつ薬だけでなく、坑そう薬も必要だったはずです。
  しかし、クリニックでは、相変わらず坑うつ薬と眠剤のみの処方でした。私の説明不足もあったのかもしれませんが。

 しかし、当時、「うつ」という病気があることはもちろん知っていましたが、「そう」という病気は、私は聞いたこともありませんでした。ですから、当時攻撃的な性格に変化したことを、すでに自覚はしていましたが、それが病によるものであることなど、夢にも思っていなかったのです。

  そして、やがて、運命の日が近づいて来ました。
  「障害者」への、扉が待っていたのです。

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